先月はバレンタインで、今月はホワイトデーですよ









今日も良い朝だぜ‥‥。

窓の外に見える眩しい朝日に目を細めつつ、
爺やが俺のために用意しておいてくれた紅茶を片手にパソコンの電源を入れる。

俺様くらいグローバルな男になれば、ネットワークは世界中に張り巡らせているからな。
いつ何時どんな連絡が入るかわからねぇ。
常にチェックは怠っちゃいないぜ‥‥あ、今日からヤ○―オークションキャンペーンか。
んーーこのジャケット良い感じだな‥このCD欲しいかも‥‥




(この間1時間)




はっ‥‥!!いやいや、ネットサーフィンしてる場合じゃねぇ。
本来の目的そっちのけでネットサーフィンに浸るなんて管理人と一緒じゃねぇか。
危ない危ない、あんなのと同等のところまで落ちてしまうところだった。

めぼしい連絡は入ってねぇ様だな。

さて、俺様の美しい裸体に磨きをかけるために、風呂にでも入ってくるか。

あぁ、言い忘れたが俺は跡部景吾。

世界に羽ばたく美しさと聡明すぎる頭脳を持つ15‥‥








「てめぇ、何してやがる不二。変なナレーションしてんじゃねぇよ!!明らかに普通に読書して・んだ・ろう・が!!」

「ちょっと跡部。久しぶりに会った友人の頭握るなんてどうゆうこと」

「お前と友達だった記憶がねぇな」

「昨日の敵は今日の友だよ。だから、関東の氷帝戦が終わった時点で僕らは友達なんだよ。全く跡部ったら‥ハン」

「何でお前如きに鼻で笑われなけりゃならんのだ、あぁ」

「‥‥僕も久々にあった友人を鼻で笑うはめになるとは思わなかったよ」

「そらそうだろ!!つか友人でもねぇ」

「まぁ、跡部落ち着きなよ。そんな子に育てた覚えないよ」

「滝お前も何優雅に寛いでんだ!!誰だコイツに茶ぁ出した奴!!第一育てられた記憶が無い!!」

「わー滝は若くしてお父さんになったんだね。いいなぁ若いパパカッコいいね」

「神奈川に帰れ幸村!!同い年の父親なんざ存在してたまるか!!」

「‥‥まさか跡部俺のこと同い年だと思ってたの」

「跡部‥‥まさか‥‥知らな‥‥」

「え‥‥(なんだこの滝と幸村の深刻そうな顔は‥‥もしかしてコイツ何かで留年とか‥)」

「まぁ、同い年なんだけどね」

「普通引っかかんないよね。こんな嘘で蒼白になる人間も早々居ないよ」

「お前ら2人とも可哀想な目で見んな!!そして不二、静かだと思ったら何してんだ!!」

「家捜しはドラク○の基本だよ!!」

「イキイキした笑顔で、人のクローゼット漁ってんじゃねぇ!!目を覚ませ不二、お前なんの夢見てんだよ」

「あ、跡部この帽子かっこいいね。貰って良い?」

「良いわけねぇだろ、仕舞え!!てゆうかお前ら何しに来た!!何時来た!!」

「あ、そうそう。忘れるとこだった跡部がバレンタインに貰ったチョコと」

「ホワイトデーに渡す予定の菓子の試食させやがれ。あ、ブン太のおやつにするから大目で」

「ごめんごめん、うっかり跡部がバレンタインにベルナルド・カラボーとかカファレルとかのチョコを
大量に貰ったみたいだよって言ったら付いて来ちゃって。2時間前くらいからお邪魔させてもらってるよ」

「連れてくんな!!つうかココにたどり着くまでの2時間何してた!!」

「探検」

「なんだその当たり前みたいな顔は、滝!!」

「ちょっと跡部落ち着きなよ」

「勝手に家捜しされて落ち着けるか!!何でお前は落ち着き払ってんだよ幸村」

「ホワイトデーはラデュレのマカロンなんだよね」

「お前はマイペース過ぎだ不二!!というより何で何で知ってんだ!!」

「あ、俺が君んちの爺やさんとオンラインゲーム仲間なんだ。一緒パーティ組んでてね」

「爺やーーーお前何時の間にそんなことしてたんだー!!」

「本当にびっくりしたよね」

「うん、格闘家兼魔術師の踊り子風流れの板前なんて俺以外居ると思わなかったよ」

「なんだその複雑な職業!!つうかRPGで需要あるのかよ!!」

「結構オールマイティに活躍できるよ。武道会で優勝したり」

「板前が武道会で優勝はおかしいだろ!?」

「えー面白いじゃない。てゆうか跡部のところの爺やさんも職業同じだよね」

「そうなんだよ滝。ビックリしちゃった。もー出会った瞬簡に気があっちゃってー。武道会でもワンツーフィニッシュしちゃったよ」

「爺やーーーーーーー!!お前もうパソコン捨てろーーーー!!」




その夜、跡部邸では爺やと跡部のパソコン戦争が勃発。
その間に何者かによって跡部邸に備蓄してあったなんかおいしいものが根こそぎ持っていかれたという。


「つぅか、どう考えても犯人あの3人だろ!!」
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