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いい天気過ぎて嫌になったり、寒くて凍えそうになったり、複雑な天候が続く今日この頃。 そんな天候も関係なく、我が氷帝学園が誇る図書館の王子様は優雅に微笑んでいた。 エンドレスは天国か地獄か 「お疲れ様。遅れてごめん」 「あー滝君かぁ。そんなに遅くないよ。お疲れ」 放課後の図書館に、本日私と一緒に当番をすることになっている滝君がちょっと遅れてやってきた。 けっこうきっちりの人なのに珍しいなと思ってふと見やると、両手には大きな荷物を抱え制服はちょっとよれよれになっている。 そこで、唐突に気付いた。 あぁ、そうか今日は滝君の誕生日だったっけ。 今日遅れてきたのは、祝いという名の告白パーティーが原因か。 普段ならば思い込みってよくないなと思うけど、今日に限っては間違いない。 だって、バレンタイン、卒業式に続く女の子が頑張る日だもん、誕生日(当社調べ) そんな訳で、1日大変だったであろう滝君ファンを労いつつ、 気付いたからには便乗して滝君を全力で祝わなければ失礼だと思い私は口を開いた。 「滝君誕生日おめでとう」 台詞自体は普通だが、力のあらん限りのおめでとうを込めている。 こういうのは、豪華さが大事なんじゃない祝おうとする気持ちが大切なんだよ、厳密に!! ただ、流石に王子にこれだけでは全力にしては味気ない。 とりあえずこちら貢物でございます。そう言ってたまたま持っていたミルキーを3つ渡すと 滝君はどうもありがとう、と微笑み流れるような動作で受け取った。 うむ、さすが王子。名に違わぬ優雅さだ。 「いやぁ、滝君の手に掛かればただのミルキーもすごい高級菓子に見えるね」 「何それ、誰が持とうとミルキーはミルキーだと思うけど」 私の言葉にどう反応していいか分からなかったらしい滝君は、 とりあえずそう言って何となくその場を取り繕うと、先ほど貢いだミルキーを食し始めた。 何でだろう、褒めたのに。 「そうかな?滝君だと何か違うお菓子に見えるよ。うんと高いやつ」 「んーー褒められてるのかの判断が難しいところだな」 そんなことを言いながら追い討ちを掛けると、滝君は困った顔をして気持ち首をかしげる。 ただ、ミルキーを舐めながらなせいか、声がくぐもっていてかつ頬が少々膨らんでいるのが 残念と言うか‥‥なんというか‥‥ まぁ、有体に言ってしまえばかなりマヌケな状態だと言う事だ。 今の顔だってミルキーがなかったら、綺麗だったろうになと、 そもそも貢いだのが自分だと言う事実を忘れ、そんな感想を抱いた。 「一応褒め言葉でいいよ。いくらなんでも誕生日に意識的に暴言は吐かない」 くそう、やはりミルキーがどこまでもマヌケだな。 同じクラスの宍戸もだけどどうしてテニス部ってイマイチ決まらないやつが多いんだろう。 そんなことを考えながら、滝君の方を改めて見てみると 何か不快なものでも見たかのように眉間に皺がよっていた。 「もしかして、誕生日じゃなかったら暴言だったってこと? ていうか今凄く失礼な事考えなかった?」滝君のオーラが何となく暗黒風味になってきた。 怒らせる様なこと何もしていないのに、怒りのオーラがひしひしと伝わってくる。 あれだろうか、カルシウムが足りなのだろうか。 ミルキーの代わりに、煮干とかあげた方が良かったかな。 これから人を祝うときは事前にしっかりリサーチしなければ。 「私、天真爛漫で純情可憐な清楚系お嬢様属性だから、暴言とか吐かないし、人の欠点をひっそり想像するような真似しない」 滝君へのプレゼントをしっかり用意出来なかったことをこんなにも悔やむ私に向かって何たる言い草だろうか。 ちょっと悪口考えてましたとか絶対に認めない。 私のイメージに深く関わる部分だから認めない。 氷帝学園に咲く一輪の百合としては、清楚なイメージを守る為に戦わねばならないのだ。 「つまり暴言だったんだね」「人の言葉は素直に受け取ろうよ、滝君」どうしてこう意図とは反対方向へと行ってしまうのだろう。 こんなにも、大和撫子として戦っている私への労りが見えないよ。 図書館王子。 というか笑顔なのに薄ら寒い。というか段々温度が下がっていっている。 季節の変わり目だからだろうか。 いや、だからじゃない。絶対そうだ。 そうじゃないと私の命が危ない。「うーーん誕生日だからかなそんな気分になれなくて」 可憐な乙女がそんな恐怖に怯えているとも知らずに、笑顔でとんでもない威圧感を醸し出している。 あなたアレじゃないですか。図書館の王子様とか呼ばれてませんでしたっけ。 王子の癖にそんな暗黒オーラを出していいとでもお思い? あれじゃん、もれなく怖いじゃん。 王子なんだから暗黒オーラじゃなくてバラ出すべきじゃね? てゆうか王子といえばバラでしょ? テニス王子こと跡部景吾君は 毎日バラ風呂に入ってバラの花を浮かべた紅茶を飲んで |
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